会長挨拶
ANAグループ労働組合連合会
会長 白石 哲也
ANAグループ労働組合連合会は、「仲間とつながる!ミライをつくる!」というテーマのもと、第28-29期 2か年の活動方針を掲げて活動しています。
この活動方針の策定に関する議論を開始したのは第27期の後半、ちょうどコロナ禍が明けたころです。当時、加盟組合の役員の皆さんからは、「労働組合は、多くの成果をあげているはずだが、その価値がなかなか組合員に伝わらない」、また「組合役員には、負担ばかりが先行して、やりがいを感じてもらいづらい」という悩みが多く挙げられていました。というのも、コロナ禍以降、自力での生き残りをかけて、賃金減額を含む労働条件の引き下げに向き合ったことや、事業構造改革として、会社の再編を含む苦しい局面が多かったこと、また、本来の労働組合活動の醍醐味のひとつである、仲間とのつながりなど、楽しいと思える活動が制限されてしまったことなどがあったためです。したがって、第28期以降の活動においては、「労働組合の価値をより高めたい」、また「組合役員には、負担ではなく、それを超えるやりがいを感じてもらいたい」という思いを、なんとか形にしたいと考えました。そのために、私たちがありたい姿を描き、その実現に向けて努力していく活動を強化していきたい、というのが第28-29期の活動方針において大切にしている考え方です。
他方、世の中では、人的資本経営に代表されるように、会社が従業員の幸せや利益を従来より追求するようになっています。ニュースなどを見ていると、労働組合の要求以上に会社が労働条件を引き上げたり、春季交渉よりもはるか前に会社が主導して賃上げを表明したりしている会社が多くあります。この状況は、労働条件が向上するという点では、組合員にとって好ましいものですが、会社の施策が組合員の納得感をともなうものになっているかどうかという点は別物だと思います。労働組合の役割や意義は、組合員の意見をもとに、プロセスや納得感にこだわり、ボトムアップで問題を解決し、課題を達成していくことです。
ANAグループ労働組合連合会は、労働組合らしさにこだわり、組合員とその家族の幸せと、ANAグループの発展をめざして活動していきます。
2024年10月 ANAグループ労働組合連合会 会長 白石 哲也